ぷりこ
わんこ先生
この記事に書かれていること
犬のお漏らしの怖い2大原因とは?
ある程度おしっこをためていることができ、そのおしっこをトイレ以外でしてしまうのが粗相です。
粗相をするのもいくつか原因がありますが、尿をいったん膀胱に貯めることができ、排尿を我慢できている状態です。
これに対して、お漏らしの場合はだいたいの場合、膀胱で尿をためておく力が弱いため、尿が流れだしてしまっている状態なので、犬としては排尿しているつもりはありません。
粗相・お漏らしというのは同じように使われる場合がありますが、この記事では「これが粗相とお漏らしの大きな違い」として話を進めさせていただきます。
お漏らしではなく粗相についてお知りになりたい場合は、下の記事をご覧ください。
犬がお漏らしをする心理はこれ!わざと?病気?お漏らしゼロへの徹底対策お漏らしは
- おしっこをする体勢になっていないのにおしっこが出てしまう
- 排尿する部分(陰部)がいつも濡れている
- 一か所に多量というよりもぽたぽたと床に落ちている
- 眠って起きた後の寝床が濡れている
このような感じでおしっこを漏らしてしまっていた場合は、粗相ではなくお漏らしを疑ってください。
犬がこのお漏らしをするようになった場合、怖い2大原因があります。それが
- 精神的ストレス
- 病気やケガによるもの
特に
- 愛犬が興奮しやすい性格
- 臆病だったリ神経質な性格
- しつけができていない
- 教えてもなかなか覚えてくれない
- ちゃんとしたしつけのやり方がわかっていない
- 犬への理解が十分ではない
愛犬や飼い主さんがこのような状態だったとしたら、大変危険が高くなるので、少し長いかもしれませんがぜひ最後までお読みいただければと思います。
犬は飼い主さんがすべてです。
犬は自分で状況を改善すること(生活環境を見直したり心地よい環境を整えることなど)がそもそもできないため、犬にストレスをかけてしまうのは飼い主さんである場合が多くなります。
もちろん、飼い主さんは愛犬をかわいがられていると思いますし、しつけもお利口さんになるように頑張っていらっしゃると思います。
意図的にストレスをかけようとは思っていないこともわかります。
それでも、飼い主さんが知らずにしてしまっていることや、犬を理解できていなかったところで、犬は大きなストレスを与えられてしまいます。
また病気に関しても、成長の時期によってかかる病気も違ってきますし、あまり知られていない病気が原因のこともあります。
お漏らしをしてしまう病気だから泌尿器の病気だと想像ができますが、実は泌尿器だけではなく他の病気もお漏らしを起こしてしまう原因になるものもあります。
精神的なストレスと病気について、それぞれしっかりとご紹介していきましょう。
お漏らしの怖い原因1、精神的ストレス
なぜ精神的ストレスが原因でお漏らしをするのか?というと、ストレスがかかると体はストレスに対抗しようとして様々なホルモンを分泌します。
通常ならそれでストレスを跳ね返すことができますが、強いストレスが断続的にかかると、対抗しようとして分泌したホルモン(コルチゾールなど)が、今度は体に悪影響を及ぼすようになります。
慢性的に分泌の量が高くなったこれらのホルモンが、免疫力を下げてしまったり排尿のコントロールをできなくするため、おしっこをがまんできなくなってお漏らしをすることに繋がります。
犬もストレスを感じるの?とお思いになるかもしれませんが、犬も上記のようにストレスを受けると人間と同様の身体的作用があらわれるので、私たち人間が強いストレスを受けてしまっている時と同様の不快な症状が出てしまいます。
お漏らしも困りますが、免疫力が下がるということは様々な病気にかかりやすくなるため寿命を縮めてしまう可能性もあるという怖い状態なんですね。
犬が精神的なストレスを感じるにはいろいろなケースがありますが、強いストレスが断続的にかかる一番の原因は、飼い主さんの愛犬に対する間違えた対応や間違えたしつけ方です。
環境が変わったりすることも犬はストレスを感じる原因の一つですが、これは飼い主さんとの関係がきちんと築かれていれば比較的早く落ち着くことができますし、飼い主さんがフォローをしてあげればお漏らしの原因となるほど重症にはなりにくいです。
でも、飼い主さんが犬に対する接し方や考え方を誤解していたり、もしくは正しいしつけの方法を知らずにネットで調べながらなど自己流でしつけをしている場合、愛犬と信頼関係を築くのに時間がかかり、正しく導いてあげるまでに多くの時間がかかってしまいます。
頑張って教えているコマンドも、気が向かなければやらないことがある場合は、正しくしつけができているとは言えず、ただ「芸」の一つになってしまっている可能性が高いです。
これだと、一番大切と言っても過言ではない愛犬との信頼関係(主従関係)を築けていないので、犬は飼い主さんを頼って安心して生活をすることがむずかしくなります。
犬にとって飼い主さんがすべてであり、犬は飼い主さん次第で生活の質が天と地ほど変わる生活をしている動物なので、飼い主さんが育て方を間違えてしまうととても大きなストレスがかかってしまいます。
犬がお漏らしの原因となるストレスをかけてしまう間違えた育て方というのは
- 犬という動物を理解しないでしつけをする
- 愛情のかけ方を間違えている
犬という動物を理解しないでしつけると、普段から犬の本能を満たすことを意識しない生活を強いたり、「ダメ」でいけないことをやめさせようとするしつけをしやすくなります。
犬には犬社会のルールもありますし、犬としたら当然の行動がありますが、それをすべてやみくもに禁止したら大きなストレスを感じるのは想像できます。
私たち飼い主側は、犬に教えているつもりでも、犬に伝わっていなかったら教えられていることになりません。
正しい行動も教えてもらっていないのに、飼い主さんが怖い顔をして「ダメ」を連発すると、犬はどうして良いかわからなくなりますし、飼い主さんに対して不安や恐怖を感じます。
「ダメ」を良く言ってしまうということは、飼い主さんにそのつもりは無いかもしれませんが、恐怖で支配しようとしているのと同じなんですね。
愛犬の「怖い」という気持ちを利用したしつけ方法ということになります。
犬は飼い主さんに、「いつも守ってもらえる」「大好きな飼い主さんの指示に従っていれば安心だ」と思えていないと、不安を感じながら生活をすることになります。
これが断続的にかかってしまう犬への強いストレスになります。
このストレス(怖いという気持ち)は、お漏らしに繋がるほかにも、心の病気にしてしまい問題行動を起こす犬にもしてしまう大きな原因になることです。
これを回避するには、今からでも改めて犬という動物を理解したうえで、主従関係を築くことを意識されているトレーニングを行って、正しいしつけを始めることです。
今までは、問題が出るたび本で調べたりネットで調べて対処していたかもしれませんが、それだと余計に危険と言わざるを得ません。
例えば、炎が出ているからといって水をかけて消火しようとしても、それが油による炎だったら、燃え広がって余計に大参事になりますが、犬のしつけにも同じことが言えます。
そもそもの大元の問題が違っていたら、ネットなどで紹介されている対処法をいくらしようとしてもダメで、よけいに問題を大きくすることが少なくありません。
良い例が、「吠える犬には無視をする」ですが、たいていの場合吠えている犬をやみくもに無視をしても、吠え止むことはかなり難しいです。
今回のことには関係がないのでこれ以上は触れませんが、犬のしつけは犬という動物を理解するところからしつけの考え方や普段の生活での注意点、主従関係を築きやすくするトレーニング方法といったことをトータルで知って実践しないと、効果を得ることはかなり難しいです。
小手先の対処だけしていても、問題は解決しないことが多いんです。
例え成犬になっていたとしても、今から愛犬のことを理解できる飼い主さんになることで、愛犬にかかっているストレスを大きく軽減してあげることができますし、それによって愛犬も変わることができます。
子犬だったらなおさらですが、成犬でも教えてくれるしつけ教室はありますので、お近くで探してみてもらうと良いと思います。
もちろん、犬への理解を深めることができるような飼い主さんへの講習もついているところを選んでください。
- 成犬のしつけ教室が見つからない
- 犬への理解を深める講習がついているところがない
- トータルのしつけ方法を知れる手段がない
- 成犬だからしつけ教室に行くのに抵抗がある
- 時間をとってあげられない
- しつけ教室への高額な支出が痛い
これは私がご相談を受けた多くの方にご紹介しましたが、みなさんに大変喜んでいただいて、実践して本当に良かったと評判が高いものなので、良かったらご覧になってみてください。
関連記事
ウソみたいに愛犬がお利口さんになる特別な秘訣を大公開です!
ホント!?今からでもお利口さんな犬にできるしつけ方法があるの?
今回最後までご覧いただいて、お漏らしの原因が病気によるもので無かった場合は、お漏らしをしてしまうようなストレス(怖い気持ち)があるという事実が残ります。
その場合は、やはりしつけ教室やご紹介した方法などで「正しい犬のしつけ」を知っていただいて実践していただきたいと思います。
あと、お漏らしをした犬に対する対応を間違えている場合も問題です。
粗相をした場所のにおいを無理矢理嗅がせたり、目を合わせて叱ったり、イラッとして叩いてしまうなどは全て絶対にやってはいけないことです。
犬がしてしまったお漏らしに対して、犬に怖い思いをさせても何も解決しませんが、正しい対応を知らなかったり、考え方がわかっていない・間違えていると、犬に強いストレスをかける行動をしてしまいます。
ストレスだったり、怖いという気持ちが原因でお漏らしをしているのに、さらにストレスをかけることになりますから、本当に飼い主として犬を理解することが大切です。
次の愛情のかけ方を間違えているのも、犬を理解できていないため起こってしまうことです。
具体的に言うと、犬に過剰な愛情をかけてしまい、いつもべったりとくっついていることで犬の自立を妨げてしまい犬が飼い主さんに強く依存してしまうことです。
この状態を分離不安と言います。
分離不安は犬にとって非常に怖い心の病気
しつけをすることなく、犬を溺愛することで犬の心の自立を阻み、飼い主に依存するしかなくなってしまった場合、犬は飼い主さんと離れることに極度の恐怖を感じる「分離不安」になってしまいます。
飼い主の甘やかしのほか
- 子犬の時にいきなり長時間のお留守番をさせられて怖い思いをした
- 留守番中に地震や雷などで非常に怖い思いをした
- 日にちをまたぐような長時間の留守番をさせられ不安や空腹を感じ怖かった
分離不安になった時の症状は
- 留守番をするときだけ問題行動を起こす
- 出かける飼い主さんに吠える
- ひとりになると吠え続ける
- ひとりになると震えたり呼吸が荒くなる
- 家中にお漏らし(粗相)をする
このように、留守番中などひとりになったときにだけ問題となる行動を起こします。
お漏らしの場合と粗相の場合があり、怖いと感じるあまり、膀胱内に入っていた分の尿を一気に粗相として排尿したあとに、排尿のコントロールができなくなってお漏らしをするため部屋中にぽたぽたと尿が垂れているというケースもあります。
分離不安の治し方としては、1人でいる時間を作って、徐々に慣らすという方法を行っていきますが、まずは飼い主さんの意識改革が必要と言えます。
飼い主として正しい態度や考え方、愛犬との接し方などを知って治すようにしないと、また同じようなことになりかねません。
やはり、犬に対する正しい理解や正しいしつけ方法をトータルで知り、愛犬と主従関係を築かないと根本的な解決になりません。
分離不安に犬をしてしまうと、犬は心や行動に異常が出てしまうほど強い恐怖を感じていることになります。
飼い主さんを待ち続け、その間ずっと不安と恐怖を感じているなんて、想像するだけで恐ろしく非常に酷な状態だとお分かりいただけると思います。
お漏らしをしながらお留守番をしなきゃいけない犬にしないであげたいですね(´・ω・`)
先ほどの記事をご覧いただくと、飼い主として自信を持って接することができるようになることで、愛犬の分離不安を改善してあげることができます。
うちの愛犬も少し分離不安気味かな?と思い当たることがありましたら、今後の愛犬のストレスを軽減してあげるためにも一度目を通していただきたい記事になっています。
その他のお漏らしに繋がる怖いストレス原因
犬の精神的なストレスになる原因は間違えたしつけなどですが、その他にもお漏らしに繋がる怖い原因があります。
興奮しやすい・繊細な性格
興奮しやすいとか繊細な性格というのは、その犬のもって生まれた性格だから仕方ないと考えてしまうかもしれませんが、飼い主さんの接し方が問題であると言えます。
どんな時に興奮するのかを知って、できるだけ興奮をさせないように接すれば、興奮しやすい犬になることは避けられますし、社会化を行い主従関係を築くことでおっとりした性格にしてあげることもできます。
かわいい姿でもあるので飼い主として嬉しい瞬間でもありますが、飼い主さんの帰宅を興奮して大喜びする犬が、興奮のあまりおしっこをお漏らしすることがあります。
これはうれションとも呼ばれていて、遊びで興奮した時にも見られます。
子犬の時は、まだおしっこをがまんする筋肉が未発達なこともあり、興奮したらうれションをしてしまうのも仕方ないことなんですが、できるだけ興奮によるお漏らしはさせないようにしておいた方が良いです。
嬉しくて興奮したことでも、ストレスにはなってしまいます。
興奮しやすいとか繊細というのは、物事に対する反応が高く、精神面でどうしてもゆらぎが大きくなるので、愛犬の精神自体が疲れやすくなります。
うれションによるお漏らしを防ぐには、飼い主さんがテンションを調整して、子犬のテンションが上がっている時は落ち着いた動作をして落ち着かせるように気を配ってください。
興奮した時に、フセなどのコマンドを出して指示に従うことで気をそらすのも有効です。
環境の変化や恐怖体験
引越しや家族の増減など、今までの環境が変化することは、犬に大きなストレスを与えます。
環境が変化することで感じる不安を解消するために、犬は自分のにおいをつけるマーキングをすることがあります。
自分のにおいをつけることで、自分のテリトリーにいるという安心感を得ようとするんですね。
このマーキングはお漏らしとは違いますが、少量のおしっこを出すものでにおいがかなりきついですから、掃除で消臭をするのが大変になります。
ストレスがかかっているので、マーキングからお漏らしになることもあります。
また花火や雷の音、嫌いな掃除機の音など、犬が怖いと思ってしまう体験をすると、犬はお漏らしをすることがあります。
これは、服従の心からくるもので、私はお漏らしをしてしまうほど情けない奴なんです。だから攻撃しないでくださいという意味でお漏らしをします。
犬は怖い思いをすると、それ以上怖い思いをさせないでほしいということでお漏らしをします。
子犬によく見られる行動ではありますが、成犬でも服従のお漏らしは見られ、怖い思いをしたときには注意が必要です。
ただ、環境の変化や怖い思いをした場合でも、飼い主さんと信頼関係を築けている犬ならばすぐに自分を落ち着かせることができます。
信頼できる飼い主さんが傍にいてくれることで、安心して頼ることができるので、多少お漏らしをしてしまってもそれ以上の大きな行動は起こさないで済むようになります。
犬の周りには、人間が予想もつかないような怖いことがたくさんあります。
怖い思いをしても飼い主さんに頼れるような関係になるためにも、先ほどの記事は飼い主さんの秘密兵器となるものをご紹介しているのでご覧いただければと思います。
お漏らしの怖い原因2、病気やケガによるもの
精神的なストレスによるお漏らしをご紹介してきましたが、犬がお漏らしをするようになった時はまず病気を疑ってもらいたいと思います。
頻尿のためにおしっこが出やすくなり我慢できずにお漏らしをしてしまうケースや、多飲多尿と言って水を飲む量が増えることによって尿の量が増えお漏らしをしてしまうことがあります。
年齢によっても出やすい病気が変わってきて、子犬の時期は異所性尿管という先天性の排尿システムの異常があります。
また成犬の時期は膀胱による問題、老犬の時期は老化による痴呆や慢性疾患などがお漏らしの原因となってきます。
病気やケガによるお漏らしは
- 脳や脊髄の異常
- 尿道の異常
- 病気による異常
脳や脊髄の異常
これは頻尿や多飲多尿ではなく、おしっこをしたいという尿意を感じなくなることでお漏らしをしてしまうケースです。
腫瘍による場合や、椎間板ヘルニアによる場合、また外傷で神経が傷ついてしまった場合にも、尿意を感じなくなることがあります。
尿道の異常
おしっこが通る尿道の筋肉が緩んでしまうことによって、尿が漏れ出てしまう状態です。
避妊手術を受けたメスに多く見られますが去勢をしたオスでも見られることがあり、ホルモン反応性尿失禁と呼ばれます。
これは、生殖器の位置が尿道の近くにあるため、手術て摘出することによって女性ホルモンや男性ホルモンが減り、ホルモンのバランスが崩れることで交感神経に異常が出ます。
おしっこを我慢しようとする尿道括約筋の収縮がうまくいかなくなり、我慢しようとする感覚が鈍ることでお漏らしをしてしまうという症状が出ます。
メスの場合、2回目の生理がくるまでに避妊手術をすることで、乳腺腫瘍の発症率を下げることができます。※初めての生理がくる前に手術を受けると99%乳腺腫瘍の発症を防ぐことができると言われています。
ホルモン反応性尿失禁は、2回目の生理がくるまでに避妊手術をしたメスの20%に起こりますが、これは手術のやり方が悪かったわけではなく、ホルモンのバランスの崩れ方がどう影響するかによります。
避妊手術を受けてすぐに発症するのではなく、術後3~4年たってから発症するそうです。
避妊や去勢手術を過去に受けており、他の病気の症状がなくてお漏らしをする場合はホルモン反応性尿失禁が疑えます。
※避妊や去勢については、大きなメリットもあります。発情をしているのに繁殖行為ができないというのも大きなストレスになることです。お漏らしをするようになる可能性だけで判断をしないで、動物病院で獣医師とよく相談してお考えいただくことをおすすめします。
病気による異常
お漏らしの症状がある病気は、泌尿器の病気、生殖器の病気、ホルモンの病気があります。
泌尿器は多飲多尿の症状が出る腎臓の病気である腎盂腎炎や間質性腎炎、頻尿の症状が出る膀胱の病気である膀胱炎や尿路結石があります。
生殖器の病気は子宮蓄膿症で、ホルモンの病気は糖尿病、甲状腺機能亢進症、上皮小体機能亢進症、副腎気質機能亢進症、尿崩症などの病気があります。
それぞれの病気について、原因や症状を見ておきたいと思います。
病気に関する説明が長くなるため、いったん病気を飛ばしてお読みになりたい場合はこちらをクリックして病気の最後まで飛んでください。
腎盂腎炎
細菌感染が原因です。
膀胱炎があると、細菌が膀胱から愈尿管をさかのぼって腎盂に侵入し炎症が起きます。
症状は、たくさん水を飲み大量の尿を排出する多飲多尿が見られます。残尿感もあり、何度も排尿する姿勢をとりますが尿はなかなか出ません。
尿は濁っていて強い臭いがします。
間質性腎炎
一般的に腎不全として扱われており、細菌やウイルス感染、薬物による場合や中毒、免疫疾患による場合など原因は様々です。
症状ははじめのうちにこれという症状があらわれずに静かに進行していきます。
そのうち、多飲多尿、食欲低下、体重減少などの症状があらわれるようになって、慢性腎不全として発見されることが多いです。
膀胱炎
尿路感染症のうち最もよく見られる病気で、大腸菌などの細菌が尿道から侵入し膀胱に感染しておきます。
尿道の短いメスが感染することが多い病気です。
症状は、頻尿や排尿時痛が起こるため、これをきっかけに発見されることが多いです。度々排尿の姿勢はとるもののおしっこが出ず、痛みによって大声で鳴くことが多いです。
発熱があり食欲が低下し、尿の色が濃くて濁りが見られます。
尿路結石症
結石は、尿中のミネラルとたんぱく質が固まったものです。
腎臓から尿道までの尿路のどこかに結石ができ、尿路が詰まったり痛みが生じたりします。食餌でミネラルを過剰に摂取することでも起きやすくなります。
症状は結石ができた場所によって異なってきます。尿路にできた場合は動くと壁を傷つけてしまうので激痛を引き起こし、血尿が出ることもあります。
腎臓でできた場合はほとんど症状がないため腎不全の症状があらわれて初めて気がつくことがあり、膀胱にできた場合は、血尿が出たり残尿感があります
子宮蓄膿症
子宮は元々細菌感染をしないように防御作用がありますが、出産経験のないメスなどは防御力が下がり細菌に感染して炎症を起こし、子宮に膿がたまることがあります。
初期にはあまり症状が見られませんが、次第に水をたくさん飲む多飲多尿の症状があらわれます。
子宮に膿がたまるので腹部が膨れたように見え、便秘や嘔吐の症状も見られます。外陰部から膿が出ることもあり、強い臭いがすることもあります。
糖尿病
膵臓が分泌する「糖を分解してエネルギーに変えるインスリン」というホルモンの分泌量が低下し糖をうまく利用できなくなります。
症状としては多飲多尿になり、尿として排出されてしまったたんぱく質を補おうとするため食欲も増えます。でもインスリンが不足しているため栄養を取り入れられずに食べるのに痩せていきます。
多くは先天的な要因が基礎に合って、肥満や感染症、妊娠、ストレスが加わることで発症すると考えられています。
甲状腺機能亢進症
体内の新陳代謝を調整する甲状腺ホルモンが腫瘍の影響などで過剰に分泌されます。腫瘍のほかにも遺伝的要因やストレスなども関係していると考えられています。
落ち着きがなくなり興奮しやすくなります。体をたくさん動かし、たくさん食べるのに痩せていってしまいます。
多飲多尿や脱毛が起きたり、目が前に飛び出すこともあります。
上皮小体機能亢進症
腫瘍や食餌でのカルシウム不足、腎臓の病気などが原因になって、上皮小体ホルモン(副甲状腺ホルモン)があk上に分泌され、カルシウムの代謝に異常が起きます。
症状としては多飲多尿が見られ、だるそうにしてうとうとすることが多くなります。
副腎気質機能亢進症
クッシング症候群とも呼ばれ、副腎から分泌される炎症を抑えるホルモンが過剰に分泌されます。
プードル・ビーグル・ダックスフンド・テリア種によく見られる病気です。
症状は多飲多尿が見られ腹部が膨れます。皮膚の弾力がなくなり、全体的に被毛が薄くなり乾燥します。
背中に左右対称の月網が見られます。
尿崩症
抗利尿ホルモンが分泌されなくなって尿の調節ができなくなります。排尿するコントロールができなくなるため正常でない量のホルモンが分泌されることもあります。
症状は、水を大量に飲み、色の薄い尿を大量に排泄します。水を飲み過ぎて胃拡張になって嘔吐することもあります。
大量に尿が出てしまうので水を制限すると脱水症状を起こす危険があるため、飲みたいだけ飲ませないと危険な状態になります。
病院へ持参する尿の取り方
お漏らしをする場合はご紹介したように尿に関連する検査が必要なため、採尿して病院へ持参します。
採尿するときは、まず清潔なペットボトルとトレイを用意し、犬が尿をする姿勢をとったらすぐにトレイで尿を受けるようにします。
取った尿をペットボトルに入れますが、針のない注射などがあるとうまく入れ替えられます。
持参する尿は新鮮な尿でなければならず、排尿後すぐに持参できない場合はペットボトルを冷蔵庫で保管してください。
ただし冷蔵庫に入れてあっても6時間たったものは検査に使えないため、できるだけ病院に行く直前に尿をとることが正しい検査結果のためにも必要です。
ドッグフードなら問題ありませんが、ご飯を食べている時に欲しがるからと家族の誰かがこっそり人間のご飯をあげてしまうと急に飲む水が増え尿の量が増えます。
おじいちゃんやおばあちゃんの世代では、人間の食べ残したものを犬に与えるのが普通な時代だったため、悪気はなく食べているものをあげてしまうことがあります。
おじいちゃんやおばあちゃんと同居されている場合は、一度勝手に食べ物をあげてしまっていないか確認し、理由を話して食べ物をあげないように頼んでおくと良いかもしれません。
お漏らしをする犬へ飼い主ができる対策
精神的ストレスや病気という怖い原因によって、犬がお漏らしをしてしまうことが分かりました。
病気の場合は、獣医の指導で投薬をしたり通院をするなど、病気を治療することが一番ですが、お漏らしをしている犬が少しでも快適に生活するためにできる飼い主さんの対策をご紹介したいと思います。
まず飼い主さんができるトイレの対策です。
- トイレの設置場所を増やす
- 大きなトイレシーツに変える
- こまめに取り替えてあげる
もしくは、すぐ手の届くところにシートを置いておき、トイレに行く前に排尿の姿勢になったら、飼い主さんがシートをさっとおいてあげるのでも良いです。
またおしっこをする範囲を広げる意味で大きなトイレシートにするのも良いでしょう。
せっかくトイレシートまで間に合ってもシートが汚いのが嫌で別のところですることがないよう、トイレシートはこまめに取り換えてあげることも対策の1つです。
犬用のオムツを着用するという方法もありますが、これはできるだけ最終手段にしてもらったほうが良いと思います。
どうしてもオムツの内部が高温多湿になり、かぶれや炎症が起きる原因になりますし、皮膚炎などの皮膚病を引き起こす恐れもあります。
オムツを着用するときは、オムツの状態をこまめに確認してすぐに取り換えてあげるようにしてください。
病院で処方をしてくれることも多いですが、お漏らしにはサプリや漢方薬の効果も期待できます。
漢方薬で言うと「猪苓湯(ちょれいとう)」という漢方が尿漏れに効果があるとされています。
サプリでは、クランベリーが有名で、クランベリーに含まれる成分に膀胱壁の細菌の増殖を抑える作用があるそうです。
その他パンプキンシードは尿漏れ対策に有効であり、イソフラボンはエストロゲンと似た働きをする成分で、免疫力をサポートしてくれてホルモンを整える効果も期待できるそうです。
ビタミンEは尿路の健康をサポートしてくれるビタミンなので、ビタミンEも配合されていると良いと思います。
排泄はお散歩中にさせる、または庭で排泄をさせているというご家庭もあるでしょう。
その場合、トイレシートの上で排泄することはできますか?
トイレトレーニングもしたうえで、でも排泄は外でしたがる場合はまだ良いかもしれませんが、外でしか排泄ができない場合は病気のときなどに問題です。
例えば、水をいつもよりもたくさん飲んで、お散歩までおしっこが我慢できなくなってしまったらそれがお漏らしになってしまいます。
病気との見分けがつきにくくなり、いざ病気による多飲多尿だったとしてもたまにお漏らししているからと、飼い主さんの危機感が少なくなってしまう恐れがあります。
また闘病中で、外に散歩に行けないときなど、排泄を我慢しようとして体力を消耗したり、我慢することで膀胱炎になることもあります。
室内で飼うことが推奨ですが、お外で飼っていらっしゃる場合も、トイレシートの上で排泄をするというトイレトレーニングはしておいた方が良いです。
災害にあってしまって、避難所で一緒にいられない場合、犬を預かってもらうときなどに、トイレの仕方で預かる条件にあわずに預けられないこともあります。
やはりいざという時のために、トイレシートの上で排泄をできるようにトレーニングをしておくのは飼い主さんの大切な役目になりますので、ぜひ早めに対策をしておいてください。
最後に
犬のお漏らし怖い2大原因【要注意】精神ケアと病気対策についてご紹介してきました。
私たちの世界はそこらじゅうに細菌やらウイルスやらがいるので、それが原因で病気になってしまうのは仕方のないことではあります。
また先天性の場合や、腫瘍・事故などによるケガから筋肉に影響が出てしまいお漏らしをしてしまうのも、防ぎたくても防げないことも多々あります。
病気や怪我が原因でお漏らしをしてしまう場合は、そうなってからの飼い主さんのケアになり、対処できることも限られてきます。
でも、ストレスというのは目に見えないもので、愛犬にストレスがかかっているとは考えられない飼い主さんも多いと思います。
私もご相談を受ける時、いっぱい愛情をかけてかわいがっているのに、突然問題行動を起こすようになって困惑されている飼い主さんがたくさんいらっしゃいます。
飼い主さんとしては良かれと思ってやっていることが実は犬にとってはストレスの原因になっていることもありますし、適切な態度で接していなかったことがストレスになることもあります。
そういった飼い主さんの多くが、本で読んだだけのしつけをしていたり、ネットで調べたしつけをしていることが多いです。
先ほど炎を例に炎の消し方も間違えると大参事になるお話をしましたが、尚言えば、火事を起こさないように火を使う家事をしていたらそばを離れないとか、火加減に気をつけるなど事前に気をつけなければいけないことがあります。
そしてさらに、もしも火が出てしまった場合を考えて消火器を用意しておくことも必要なことです。もっと言えば火災保険に入って万が一の時に備えたりもします。
犬のしつけも本当に同じことが言えて、まず火事を起こさないための知識=問題行動を起こさないための犬の知識になり、もしも火が出てしまった場合=問題行動を起こしてしまった場合になります。
最低でも、犬を飼う以上はこの2つは最低限知っておかないといけない知識なんですが、どうしても部分的な知識だったり、部分的な対処法でどうにかしようとする方が多いです。
私が先ほどご紹介したしつけの方法は、この最低限必要な2つの知識が非常にわかりやすく網羅されて解説しているものなので、ぜひ一度先ほどの記事をご覧いただきたいと思います。
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ホント!?今からでもお利口さんな犬にできるしつけ方法があるの?
問題行動を起こす前に、問題行動を起こさないための方法や、犬にストレスを感じさせる生活をさせないために必要な知識と情報が詰まっています。
そして万が一問題行動を起こしてしまった時にどうすればよいかまで、完璧にわかるようになっていますので、犬を飼っているなら必要なものだと私は思います。
ご興味をお持ちいただけたら、下の関連記事からご覧になってみてください。
今回はお漏らしでしたが、ストレスは万病のもとで、ストレスが原因の病気はたくさんあります。悪性腫瘍のガンも免疫力が低下するストレスが原因の一つに考えられています。
怖い病気を避けるためにも、怖い心の病気を避けるためにも、愛犬にストレスを感じさせないよう正しい主従関係を築くことが急務です。
ぜひ正しいしつけの方法をトータルで知っていただいて、間違った対応で愛犬にストレスを感じさせないようにしていただければと思います。
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